新弾が出るたびに店頭には行列ができ、通販サイトの抽選には応募が殺到する。2026年7月現在も、ポケモンカードの人気商品は発売日に店頭から消え、抽選販売が当たり前の状況が続いています。
発売から30年近く経つカードゲームが、なぜ今これほど過熱しているのか。この記事では、市場データや近年の出来事を整理しながら、ポケモンカード人気が続く理由をまとめました。
ポケモンカードの人気はどれくらい過熱しているのか
国内トレカ市場は5年で約3倍に拡大
日本玩具協会の調査によると、国内のカードゲーム・トレーディングカード市場は2024年度に3,024億円となり、過去最高を更新しました。2020年度は1,100億円前後だったので、わずか5年で約3倍に拡大した計算です。
この市場の約4割をポケモンカードが占めるという民間調査もあり、金額にすると国内だけで年間1,200億円規模になります。販売元である株式会社ポケモンの売上高も、2021年2月期の約1,200億円から2025年2月期には約4,109億円へと、4年で3倍以上に伸びています。
累計製造枚数は850億枚を突破
株式会社ポケモンが公開しているデータでは、ポケモンカードの全世界累計製造枚数は2026年3月末時点で850億枚以上です。直近1年間だけで約100億枚が製造されており、生産ペースは年々上がっています。
| 時点 | 累計製造枚数 |
|---|---|
| 2021年3月末 | 341億枚 |
| 2022年3月末 | 432億枚 |
| 2023年3月末 | 529億枚 |
| 2024年3月末 | 648億枚 |
| 2025年3月末 | 750億枚 |
| 2026年3月末 | 850億枚以上 |
出典:株式会社ポケモン公式サイトの公開データをもとに作成
注目したいのは、全体の半分近くが直近4〜5年に集中して製造されている点です。ここまで増産しても人気商品の品薄が解消されないところに、需要の強さが表れています。
ポケモンカード人気が過熱した7つの理由
理由1 世界最大級のIPであるポケモンのブランド力
大前提として、ポケモンはメディアミックス全体の累計収益が世界最大級と言われるコンテンツです。ゲーム、アニメ、グッズと接点が多く、子どもの頃に遊んだ大人がいつでも戻ってこられる間口の広さがあります。カードは16言語で販売されており、国内と海外の両方の需要が品薄と価格を押し上げています。
理由2 2018年の戦略転換で遊ぶハードルが下がった
現在のブームの出発点としてよく挙げられるのが2018年です。この年に発売されたGXスタートデッキは、2,000円前後が相場だったスターターデッキを500円で投入し、初心者が気軽に始められる環境をつくりました。人気YouTuberがこのデッキを取り上げた動画は450万回以上再生され、カードに触れたことのない層まで一気に認知が広がっています。
さかのぼると、2016年の20周年前後から公式YouTubeの開設や新弾サイクルの短縮など、ターゲットをTCGプレイヤーからポケモン好き全般へ広げる施策が続いていました。この下地があったからこそ、ブームが一過性で終わらなかったと考えられます。
理由3 開封動画とSNSトレンド化の相乗効果
高額カードの開封動画や購入報告はSNSと相性が良く、新弾のたびにX(旧Twitter)ではカード名がトレンド入りします。行列や売り切れの様子が拡散されるとそれ自体がニュースになり、普段カードに縁のない層まで参入してくる循環が生まれています。
理由4 コロナ禍の巣ごもり需要と大人の回帰
2020年からのコロナ禍では、自宅で楽しめる趣味としてトレカ全体が注目されました。子どもの頃にポケモンで遊んだ世代が、大人になって金銭的な余裕を持ち、コレクションを再開したことも市場拡大の大きな要因です。
玩具商社ハピネットの2025年の調査では、20〜30代男性の約3割にトレカの購入経験があり、大人になってから買い始めた人の2人に1人が直近3年以内の新規参入と報告されています。ブームが新しいファンを呼び続けている状況です。
理由5 レアカードの資産価値化と鑑定文化
近年のポケカ人気を語るうえで外せないのが、資産としての側面です。米国発の鑑定文化が日本でも広がり、状態の良いカードの希少性が数値で評価されるようになりました。
初期のリザードンに4億円もの値が付いたという報道や、約7億円と報じられた世界一高価なポケモンカードを海外の人気YouTuberが購入して話題になった例など、高額取引のニュースが繰り返し流れたことで、ポケカは資産になるというイメージが定着しました。エクストラバトルの日のプロモであるリーリエのように、500万円以上で取引されるカードも存在します。
理由6 海外需要の爆発と円安
ポケカ人気は日本以上に海外で過熱している面があります。2025年には米国のコストコで商品をめぐる客同士のトラブルが相次ぎ、購入制限が設けられました。鑑定会社PSAの担当者は、ポケモンカード全体の価値が半年で20%上昇したとコメントしています。
さらに円安で日本語版カードは海外から見ると割安になっており、インバウンドや輸出目的の購入が国内の品薄に拍車をかけています。この海外需要は現在の高騰の主因と言われているため、記事の後半でさらに詳しく掘り下げます。
理由7 品薄と転売が話題を呼ぶ希少性のループ
需要に供給が追いつかない状態が続くと、転売価格が上がって話題になり、さらに需要が増えるというループが生まれます。2025年8月にはマクドナルドのハッピーセットにポケモンカードが付いた際、買い占めと転売が社会問題として大きく報道されました。
この状況はメーカーや関係企業も認識しており、任天堂の株主総会では投機目的の買い占めへの対策として、マイナンバーカードを使った本人確認の活用に言及があったと報じられています。増産しても品薄が解消しない背景には、遊ぶための需要に、値上がりを見込んだ需要が上乗せされている構図があります。
最大の高騰要因と言われる海外需要を深掘り
ここからは、現在の高騰の主因と言われる海外需要をもう一段掘り下げます。海外の動きは国内相場の先行指標になるとも言われており、抽選の倍率や再販の売れ行きを読むうえでも押さえておきたいポイントです。
米国では日本以上の熱狂が起きている
米国のトレカ市場はもともと世界最大級で、野球カードの時代から投資対象としての文化が根付いています。そこにポケカブームが重なり、2025年にはコストコで購入を巡るトラブルが相次いで動画が拡散し、購入制限が設けられる事態になりました。鑑定会社PSAの担当者は、ポケモンカード全体の価値が半年で20%上昇し、個別には150%跳ね上がったカードもあると説明しています。
直近1年だけで約100億枚を製造してもなお、米国では品薄が続いていると伝えられています。需要の桁がひと昔前とは違うことがわかります。
円安とインバウンドで日本の在庫が海外へ流れる
円安が続く今、日本語版カードは海外から見ると割安です。加えて、日本のカードは印刷品質が高いと評価されており、英語版にこだわらないコレクターも多いと言われます。その結果、来日した外国人観光客が都市部のカードショップで大量に買い付け、そのまま国外へ持ち帰る流れが定着しました。
ブルームバーグも、米国や中国など海外客の購買力が価格を押し上げ、値上がりを見込んだ越境転売が広がっていると報じています。日本でしか手に入らないプロモカードや大会配布カードは特に狙われやすく、国内在庫が海外へ流出し続けることで品薄がさらに進む構図です。
中国という巨大市場が本格的に動き出した
見逃せないのが中国市場です。ポケモンカードの簡体字版が中国本土で正式発売されたのは2022年10月と、実はごく最近のことです。それにもかかわらず、発売1年で売上は数百億円規模と噂されるほどの急成長を見せ、2023年末に上海で開かれた公式大会には4,000人を超えるプレイヤーが集まりました。
2025年からは公式のポケモンカードジムが北京や広州など主要都市に相次いで開店し、2026年も出店が続いています。中国語版が他の言語版より高値で取引されるケースもあるほどで、この市場の成長はまだ序盤と考えられます。一部では、富裕層が資産を国外へ移す手段として高額カードを利用しているという指摘まであり、良くも悪くも中国マネーが相場を動かす存在になっています。
今後の動きを予想
ここからは、これまでの材料をもとにした当ブログの見通しです。あくまで個人の予想であり、相場や販売状況を保証するものではない点はご了承ください。
上昇要因は30周年と海外市場の拡大
- 2026年10月にポケモンカードは発売30周年を迎え、9月以降は記念商品が順次発売予定。現在のブームの起点が20周年前後の施策だったこと、25周年商品が今も高値で取引されていることを踏まえると、争奪戦は過去最大級になる可能性がある
- 中国では公式カードジムの出店が2026年も続いており、アジア需要はまだ伸びしろが大きい
- 2024年配信のポケポケをきっかけに、紙のカードへ入ってくる新規層が世界中で増えている
- 増産を続けても品薄が解消しない需給の逼迫は、当面続く見込み
調整リスクは転売対策と供給の正常化
- 任天堂の株主総会でマイナンバーカードによる本人確認への言及があったように、転売・投機対策が本格化すれば、投機マネーが抜けて一部カードの相場が調整する可能性がある
- 2024年には増産で価格上昇が一服した経緯があり、供給が正常化すれば新弾関連の相場は落ち着きやすい
- 円高に振れた場合、海外から見た割安感が薄れて外国人の買いが鈍る
- ポケカ相場はこれまでもバブル的な急騰と沈静化を繰り返しており、短期の値動きを追う買い方はリスクが高い
当ブログの見立て
相場としては上下があっても、コレクション需要と競技需要という実需が厚いため、人気そのものが急にしぼむ可能性は低いと見ています。特に2026年後半は30周年商品が控えており、定価入手の難易度はここ数年でも最高レベルになると予想します。
一方で、転売対策や本人確認の強化は、投機筋には逆風でも、定価で買いたい一般のファンにはむしろ追い風です。今のうちから複数ストアの抽選に応募する体制を整えておくのが現実的な備えになります。
定価で手に入れるには抽選販売の活用が現実的
人気が過熱している以上、フリマサイトなどの転売価格で買うのはおすすめしません。当ブログでは、自分や家族のコレクション用として、定価で買える抽選販売や再販の活用を基本にしています。
ポケモンセンターオンラインをはじめ、家電量販店や書店など、抽選販売を実施するストアは毎月あります。最新の抽選スケジュールは以下の記事で随時更新しているので、あわせて確認してみてください。
関連記事:ポケモンカード抽選販売・再販情報まとめ【2026年7月】
まとめ
ポケモンカード人気の過熱は、ポケモンというIPの強さを土台に、遊ぶ人、集める人、資産として持つ人という3つの需要が重なった結果です。累計850億枚を製造してもなお品薄が続く背景には、円安を追い風にした米国・中国の海外需要があり、30周年を控えた2026年後半はさらに入手が難しくなると見ています。
定価で手に入れるチャンスは、抽選販売を中心に毎月あります。焦って高値をつかまず、こまめに抽選へ応募していくのがいちばん堅実な楽しみ方です。
ワンピースカードの人気が過熱している理由については、別記事で詳しくまとめています。


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